特定疾患に指定される難病・再生不良性貧血の治療法

貧血はよく知られている症状ですね。
しかし、一口に貧血と言ってもその原因によって様々な種類があります。
今回ご紹介する「再生不良性貧血」は、貧血の中でも最も重篤な病気と言っていいでしょう。

難病・再生不良性貧血とは?

再生不良性貧血は厚生労働省の特定疾患に指定されている難病の一つです。
一般的に貧血とされるものの多くは「鉄欠乏症貧血」で、鉄分の不足によって引き起こされる貧血です。
鉄欠乏症貧血では血液中の赤血球のみが減少することでめまいなどの症状が起きるのですが、再生不良性貧血は赤血球だけでなく、白血球もや血小板も減少していきます。

日本では年間に100万人に8人程度の割合で発症が報告されており、重症化すると完治は困難であり治療も長期化してしまいます。
再生不良性貧血は普通の貧血とは大きく違う、予後が非常に悪い病気なのです。

再生不良性貧血の原因とその症状とは?

再生不良性貧血は、先天性と後天性の二種類があります。
しかし、生まれつきの遺伝子障害によって発症する先天性の再生不良性貧血は非常に稀なパターンであり、ほとんどは後天性によるものです。

後天性の再生不良性貧血の原因は何なのでしょうか?
薬剤や放射線などが原因の二次性のものもありますが、実は9割以上が原因が特定できない「突発性再生不良性貧血」なのです。
再生不良性貧血で血液の全ての成分が減少するのは、血液を作る造血幹細胞が傷害を受けるからです。
突発性再生不良性貧血の多くは自身の白血球が造血幹細胞を攻撃して傷つけることで起こります。

白血球にはウィルスや細菌など外から入ってきた敵を攻撃する免疫力があるのですが、何らかの原因によって自分の細胞を攻撃し始めてしまうことで突発性再生不良性貧血を発症してしまうのです。
この免疫力の異常がなぜ起こってしまうのか、その原因は解明されていません

貧血の症状といえばめまいが一般的な認識ですが、再生不良性貧血の症状はそれだけではありません。
血液の成分全てが不足してしまうので、全身に様々な症状が現れます。

赤血球が不足することで、全身に十分な酸素が届けられなくなり臓器全体の働きが低下してしまいます。
そのため、めまいや頭痛、疲労感や倦怠感、動悸や息切れなどの一般的な貧血症状が如実に出始めます。

そして、白血球が不足すると細菌やウィルスから体を守る力が低下してしまいます。
これは、単純に風邪をひきやすくなるだけではなく重い感染症にかかりやすくなってしまうのです。

さらに、血小板の不足によって止血の力が弱まります。
出血もしやすくなり皮下出血による紫斑が出たり、歯肉や鼻、消化管から出血することもあるでしょう。
重症化すると、脳内出血や眼底出血など恐ろしい症状も引き起こしてしまうのです。

再生不良性貧血の治療法について

再生不良性貧血の検査は、血液検査で血液の成分を調べ全ての血球の減少が見られる場合は確定診断のために骨髄も調べます。

検査の結果から、重症度をステージ1から5までの5段階で判定します。
再生不良性貧血の治療はいくつかの方法があり、病状の段階によって適切な治療法を行います。

主にステージ1の軽症の患者に用いられるのが「たんぱく同化ステロイド療法」です。
男性ホルモンを投与し赤血球の産生を促し造血幹細胞の異常を改善します。
しかし、女性の患者の場合は副作用として男性化も懸念されるため慎重な投与が必要です。

ステージ2の中等症の患者には、たんぱく同化ステロイド療法以外にも「免疫抑制療法」が行われます。
再生不良性貧血の多くは造血幹細胞が白血球に攻撃されて傷害されているので、白血球の免疫力を抑制する薬剤を投与します。

定期的な輸血が必要となるステージ3以降の重症の患者には「骨髄移植」が選ばれますが、それには患者の年齢が45歳未満であり白血球型のあった身内の骨髄提供者がいると言う条件が揃わないといけません。
その適合者がいなければ免疫抑制療法を続けることになりますが、重症患者の免疫抑制療法は数年後に白血病などの病気になる可能性が高まるためなるべく骨髄移植が望ましいでしょう。

他には、症状を改善するのが目的の「支持療法」があります。
根本的な治療ではありませんが、それぞれの血球や血小板が減少したことで起こる症状を改善する治療法です。
この支持療法によって、再生不良性貧血の怖い症状の一つである感染症を予防する効果も得られます。

まとめ~悪化すると重篤な症状に!早期の治療で予後が変わってくる再生不良性貧血は初期段階で気づくのが大事~

再生不良性貧血は予後が悪く、かつては重症化すると半年以内に50%の患者の死亡が報告されていました。
確かに完治が非常に難しい病気でしたが、現在では研究も治療の技術も進歩しており生存率は著しく向上しています。
早期に治療を始めることで、半数以上の患者が輸血が不要になるほどの回復がみられるようになりました。

しかし、治療が遅れ重症化すると免疫力が低下で重篤な感染症にかかり死亡してしまう患者は現在でも少なくはありません。
再生不良性貧血は初期段階で気づき、発症後の早期の治療が運命の分かれ道と言えます。

再生不良性貧血は特定疾患に指定されているので申請すると治療に補助を受けることが出来ます。
貧血の症状が長く続いていたり、疑わしい症状がある場合はすぐに医師に相談するようにしましょう。

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